エンジンオイルの製造工程とベースオイルの種類
エンジンオイルの製造工程
原油を加熱すると原油は低い温度でも気化を始めます 低い温度で気化するのはガス LPガスや都市ガスなどに使われます 温度を次第に上げていくとケミカル品が取れます 次にガソリンや軽油などを取り出して行き最後は残りカスがでます これを残渣(ざんさ)といいます 残渣をさらに精製すると鉱物オイルの原料 重油 アスファルトを取り出すことができます
そのエンジンオイルの原料をさらに精製すると Group1 Group2 Group3が取り出せます そして化学合成オイルはガスなどから精製することになります
ベースオイル
鉱物油系 : 高度精製基油 VHVI~高粘度指数基油 合成油系 : PAO(ポリαオレフィン) エステル
添加剤
酸化防止剤 摩耗防止剤 防錆剤 清浄分散剤 粘度指数向上剤 流動点降下剤 消泡剤など
PAO
PAO100%という製品は非常に少ない 必ずGorup3とのブレンド もしくはエステルとのブレンドとして販売されている 主に石油精製時に得られるエチレンガスなどのオレフィンを原料として合成されます 純粋なガス成分より合成される事から不純物の含有が無く非常に安定した特性を有しています
エステル
(1)有機酸エステル 有機酸とアルコールを原料として製造するもので,ニ塩基酸エステル(ジエステル)とポリオールエステルがあり,一般に低流動点,高粘度指数,高引火点を特長としています
(2)りん酸エステル オキシ塩化りんとアルコール,フェノール類を原料として製造します アルキルタイプとアリールタイプがあり,いずれも,難燃性(自己消火性),潤滑性が優れていますが,アリールタイプの粘度指数は低くなっています
(3)けい酸エステル(シリケート) アルキルタイプとフェニルタイプがあります 低流動点,高粘度指数です
なお,いずれのエステルも加水分解するのが欠点です
高性能と思われているエステルですが 非常に種類が多く原材料名にエステル系と記載され非公開のものが多い
最高級のエステルは1L以下で1,000万円と 超高額 一方エンジンオイルに使用するものは高価なものは使用せず数百円と幅がある 当然ベースオイルの性能も値段分だということになる その性能を添加剤技術が補うことができるため 一概にエステルが良いとは言い切れない
Group3(VHVI)
鉱物油を更に水素化分解し精製度を上げる事により得られる成分となります 鉱物油に比較して低温流動性や安定性は向上しますが 合成油には及びません
高度精製基油(鉱物油)
常圧蒸留により得られた重質留分を更に減圧蒸留し分留した潤滑油留分を脱硫・脱蝋・水素添加などの精製工程にかける事により得られる
高度な精製を行う事により硫黄などの不純物は概ね取り除かれて Group1は微量の残留があり安定性に僅かな影響を及ぼしています 小さすぎる分子は 熱により蒸発しその為エンジンオイルが減るという減少が出る場合もあります
それを改善したのがGroup2 蒸留での分留であり更には主要な成分がパラフィン構造を有します