冷却性が高く粘度変化が少ないオイルがオイル漏れを抑制します
良くある相談があります
それがオイル漏れ
化学合成オイルを使ってから漏れ出したというもの
なぜ漏れだすのかを考えてみましょう
原因は2つ
その年式のエンジンの精度の問題
年式でエンジンの精度は違ってきます 例えば金属の面と面を合わせるとピッタリと合うのが現代のエンジンです 面に水でも付いていると くっ付いて離れなくなるほどです まるでガラス面の様に平です
しかし昔のエンジンはそこまで精度がありません 故に面にはガスケット パッキンと呼ばれる漏れ防止の紙の様なものを挟みます 現代のエンジンはこの紙のガスケット パッキンが無くなり 液体ガスケットを塗りこむだけになっています このガスケット パッキンが劣化して漏れが発生しやすくなってきます
経年によるエンジンの歪み
エンジンは熱を持ちます エンジンの熱によりエンジンが歪む場合があります 鋳鉄エンジンの場合は比較的歪みは少ないのですが アルミで出来たエンジンは 熱により歪みが発生しやすくなります
水温が正常だから大丈夫というものではありません 例えば水温90℃とします その場合 油温はおよそプラス20℃ですから油温は約110℃になっている可能性もあります もちろん車種により冷却特性は違いますから一概には言えません
バイクなどはほぼアルミでエンジンは出来ています 故に空冷エンジンは歪みが発生しやすい訳です 歪みが発生すれば そこからオイル漏れが始まります
現代の化学合成オイルは昔ほど漏れやすい性質ではなくなっています それは添加剤技術が向上したことにあるでしょう
化学合成オイルと一口に言っても様々なものがあります 流動性が高いオイルもあれば そうでないものもあります 使っているベースオイルの種類によるものと添加されるポリマーです
一般的に流動性の高いオイルはオイル漏れを引き起こしやすいのは事実です 故に粘度を高くすると漏れも起きにくくなってきます それが旧車用と言われる商品です
中には10W-60などの高粘度もあるようです 確かに高粘度だとドロドロになるので 漏れにくくなりますが ポリマー(粘度向上剤)を使うとポリマーは劣化が早いので すぐに粘度低下を起こしてしまい 結果漏れていきます
旧車に最適なオイル2つの要件
粘度変化が起きない事
粘度変化が起きてしまうと 隙間から漏れが発生しやすくなります 漏れが発生する前に粘度変化が少ないオイルに入れ替えると旧車のエンジンにはとても良い事です しかも初期のオイル漏れ(滲み)程度であれば止まってしまうこともあります
冷却能力が高いオイルである事
エンジンの表面は冷却水(空冷は風)で冷やし エンジン内部はオイルで冷やします 油温が低下すると エンジンにとても良い影響が出てきます それが水温の低下
油温が下がると エンジン全体が冷却されるので 水温まで下がる場合がでてきます 事実そうなっている車両も多くでてきています 熱による歪みはエンジンパフォーマンスを大きく低下させてしまいます
場合によっては ヘッドガスケットが吹き抜ける事例もあります エンジンは熱との戦いと言っても言い過ぎではありません 発熱量の大きなターボ車 ロータリーなどは冷却性の高いオイルはエンジン保護にも繋がります
冷却性が高く粘度変化が少ないオイルが旧車に最適なオイルです
※一般的な化学合成オイルなどは一度熱を帯びると冷えないという特性があります
※ポリマーを使用したオイルは粘度変化が大きくなります
絶版車を維持するために